専念寺前住職 藤井 護
この言葉は国連気候行動サミットで世界の指導者に対し、気候変動について真剣に考えていないと彼女が非難した言葉である。その言葉のあとに「あなたたちは私たちを見捨てようとしているが、若者たちはあなたたちの裏切りに気づき始めている。」と、サミットの参加者に語り掛け、こう付け加えた。
「もしも、私たちを見捨てる選択をするのなら、こう言っておく。私たちは、あなたたちを決して許さない。」と
私たちは自分さえ、今さえ便利で、楽で、健康で長生きできれば幸せだ。ただ意味もなく、ただ虚しくいのちをすりへらして終るという感覚で生きている。地球温暖化、核、エネルギー、プラスチックごみ等、自然破壊のきびしい現実の問題があるのに、子や孫、百年、千年先の地球を考えて生きているのであろうか。
「パニックに陥ってほしい。自宅が火事かのように行動して欲しい。実際にそうなのだから」(グレタ)
「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みなもってそらごとたわごとまことあることなきゆえに、ただ念仏のみぞまことにておわします(『歎異抄』後序)」(悩み苦しみ多い凡夫である私、煩悩の火が燃 えさかるようなこの世界はすべてのことがそらごとであり、たわごとであり、なに一つ確かなものはありません。ただ念仏(南無阿弥陀仏)だけが真実であります。)
自分には危機感がない。今はおだやかで何不自由ない生活をしている。しばらくは、こんな生活が続き、幸せな毎日が送れるだろう。その後は何とかなるだろう。私の知ったことではない。そんな毎日を日暮らししている。
私は本当に親鸞聖人の教えに出遇って、聖人の道を歩もうとしているのであろうかと問い続けてきました。そこに聖人を冒涜し、背き続けてきた私がいました。ただただ、頭を垂れるのみであります。 合 掌
2020年3月発行「共に歩まん」より